星景写真撮影に行く前に前日の準備と撮影前の注意について書いてみたいと思います。
あまり、興味を持たれないかもしれませんが、意外と大事な事なので参考にしてくれると嬉しいです。
天気
星景写真撮影は、他の撮影以上に天気に左右されます。
多少の雲があるのも、それはそれで趣があるかもしれませんが、やはり、せっかく撮影に行くのなら満天の星空に会いたいですね。
私が一番先に見るのは、まずは日本気象協会が運営するtenki.jpの星空指数です。
写真にもあるように0~100まであるので、分かりやすいですね。
例えば、千葉なら銚子の星空をクリックすると、千葉県なら12の市町村に分かれており、2020年から細分されましたので、行きたい地域の近くがわかるようになりました。
tenki.jpの指数の更新時間は、10分前後の誤差はあるようですが、1日12回、偶数時に発表され更新されていますが、星空指数に限っては、18時の更新がその日の最終の更新となり、当日21時から翌明け方までの指数として確定されます。
10日先までの星空指数が見れますが、当日でも変わる事があるので注意が必要です。
撮影地選定
tenki.jpでざっくりと確認して撮影地を決めた後に、ネットやアプリで撮影地の選定を行います。
そのサイトは、GPVというサイトで、星景写真を撮る方はたいていこのサイトを参考にされています。
この日の画面で見ると、真っ黒なところが晴天で、グレーから白になればなるほど雲が厚いということになり、雨が降っているときはブルーになります。
関東とか中部とかに分かれていて、36時間先まで見ることができ、広域で東日本や西日本で見ると、精度は落ちていくものの264時間先まで見ることができます。
似たようなサイトでSCWというサイトもあり、見方はほぼ同じです。
この日のGPVで見ると、山梨・群馬・長野辺りが良く、時間を進めていくと山梨以外は雲が迫ってきていましたので、山梨で撮影するのが良さそうだと判断できます。
山梨辺りであたりをつけて、更に絞り込むときはwindyというサイトを使います。
黄色いところが晴天で、白くなるほど雲があるという事で、前述のGPVとすこし見方が違います。
こちらも6日先まで見ることが出来ますので、ある程度は参考にできますが、僕の場合は直前の撮影地の状況をピンポイントで見て撮影地を決めることが多いです。
左上の赤い枠で住所を入力して検索することもできますし、地図上でクリックしても場所に移動する事もできます。
黄色い枠で示した3%と表示されているのが低層雲の雲量となっており、右側の赤い枠のところをクリックすることによって表示を切り替えることが出来ます。
windyは携帯アプリもありますので、現場で見るときに便利です。
以上の3つのサイトをみて撮影地を決めたら、海側なら潮の満潮の時間や、山に行くときは、これからの季節は積雪等も調べていく様にしていますが、最近はクマの出没のニュースも多いので、そういった地域はチェックをしておくべきだと思います。
幸い、千葉県はツキノワグマはいないので、その辺は安心していますが、イノシシはいるので注意は必要ですね。
ただし、雲が少なくても、そもそも光害や街中は星の撮影には適していませんので、前記事の星景写真の撮り方 初心者用の星景写真を撮るのに適した場所とはのところを読んでみてください。記事冒頭に目次を書いてあるので、クリックしていただけると直接そこに飛べます。
撮影日前日確認事項
・カメラの動作確認
これ意外と大事です。
お金をかけて久しぶりに、現場にいってカメラが起動しないとかなると最悪です。
カメラは精密機械ですから、どういった形で壊れるかわかりません。
週末しか触らないというようなカメラを趣味としている方は、絶対に前日に触っておいてください。
私は、当日出発前にも、念には念をでスイッチのオンオフくらいはやっておきます。
・電池の充電(予備電池準備推奨)
前日にカメラチェックした時に、電池の充電の残量も確認しておきましょう。
出来れば、予備電池は持っているほうが良いでしょう。
サードパーティー品を使うのはあまりお勧めはしませんが、それでもないよりはマシだと思います。
当たり前のことだと思われるかもしれませんが、これ、ツアーをやっていると結構な頻度で、充電忘れの方はいらっしゃいます。
・SDカードの残量(容量の大きいものを推奨)
SDカードは、撮影が終わったらなるべくこまめにバックアップをして、撮影時には空けておくようにしましょう。
特に初心者に多いですが、以前のデーターを入れたまま、来られる方がおおいですが、星景写真は割と枚数を撮られる方がおおいので、ツアー途中で「SDカードの残量がないといけどどうしよう」って相談に来られる方が何人もいました。
また、大容量にすることによって、SDカードの取り換えする事がなくなるので、まずは紛失の可能性が少なくなりますし、カードスロットの蓋を開けてしまうと、いくら防塵防滴のカメラでも、防塵防滴でなくなりますので、故障の原因にもなります。
・三脚の動作確認(クイックシューの確認)
動作確認もそうですが、まずは使い方がわかっていない方が、本当に多いです。
三脚のセンターポールを閉めないでくるくる回ってしまい、三脚を使う意味がなかったり、現場に来て初めて使うといった方が何人もいました。
はじめて使う方が、暗い現場でうまく使えるはずがありません。
そして、三脚のトラブルで一番多いのが、クイックシューだけを家にわすれてくる方。
重い思いをして現場に行って、クイックシューを忘れて来たことを気が付くと、本当に力が抜けますので、是非、気を付けて下さい。
・カメラの説明書
スマホがあればいいやとおもっているかもしれませんが、星景写真を綺麗に撮れるような場所は、電波の状態がよくなく、最悪な場合、繋がらない場所もありますので、事前にpdfをダウンロードしておくとか、印刷して持っておくとかすると便利です。
撮影前準備
・ライブビュー画面(背面液晶モニター)の設定
なるべく暗い設定をしておいてください。
暗闇の中でのライブビューは、思っている以上に明るいので、周りの人に迷惑をかけるだけでなく、自分の瞳孔も小さくなってしまい、星のピントを合わせるときに見えにくくなります。
・カメラのパイロットランプ
露光時間中に光らないカメラもありますが、メーカーによっては露光時間中はずっとパイロットランプがついているタイプもあります。
事前に確認しておいて、光が漏れないような対策をしておかないと周りに迷惑をかけてしまいます。
・操作方法の確認
特にツアーで初心者の方に多いのは、ライブビューの表示の仕方、またその拡大方法。
星にピントを合わせるのは、必須項目なので、きちんと確認しておきましょう。
記録画質
星景写真を撮る時はrawをお勧めします。
後からの調整が面倒なのでとよく聞きますが、現場でホワイトバランスの設定や、ピクチャースタイルを決めていくという作業の時間があれば、すこしでも多く撮影したほうが良いですし、レタッチするときも画像の破綻が少ないです。
撮影時にあると便利なもの
・レンズヒーター
レンズヒーターは冬季だけでなく、夏でも特に山間地で撮影するときは必要です。
知らない間にレンズが曇っていて、後で確認すると、全部、星がぼやけて撮れていたらさいあくですから、私も少々億劫ではありますが、つけるようにしています。
レンズヒーターのおすすめは温度調節が出来るものを選んでいます。
あまり熱くなりすぎるとレンズの筐体の伸縮もある可能性があり、ピントがずれる可能性もありますので、ほんわりと温かくなる程度で充分です。(極寒地を除く。)
合わせて必要になるのがモバイルバッテリーで、こちらは残量表示が数字で細かく表示されるので、暗い所でも確認しやすく、いざとなったらライトもついているので便利です。
26.800mAhもあるので、一晩付けていても電池切れになる事はありません。
この容量のクラスだと大きいので仕方ないところもあるのですが、477gと重みはあります。
・ストーンバック
三脚につけるものですが、これにレリーズやモバイルバッテリー、小物などをいれて重みをつけて三脚を安定させる働きがあります。
センターポールにフックがついているような三脚は、カメラリュックなどをヒモなどでむすびつければ重みとなり必要ありませんが、それがない三脚にはあったほうがいいでしょう。
ストーンバックを選ぶときは、マチがある、なるべく黒いものはさけて色がついているものを選ぶことを気を付けています。
マチがないと滑って落ちてしまったり、黒いものだと暗闇の中で見つけにくいからです。
SLIKさんが出している、こちらは装着が多少面倒ですが、つけてしまえば信頼性が高く、収納性もあり便利です。
・手元を照らすライト
手元を照らすライトは、赤いものが推奨されていますが、これって意外と光を拡散してしまい、複数で撮る時は、割と隣のカメラに赤い光が写りこんでいることがありますので、赤い光だからと言って注意しなくていいという事はありません。
自分の瞳孔が開きにくいという利点はありますが、他の撮影者にも配慮は必要です。
ホームセンターに売っているもので充分ですが、照らす角度を狭めるものがいいと思います。
・コンパス
コンパスはスマホのアプリで充分だと思っている人が多いようですが、スマホの明かりは暗闇では強力で、わりと他の撮影者にも迷惑ですが、自分の瞳孔も絞られてしまいます。
コンパスのお勧めは、Vixen社のオイル式コンパスLED付の一択だと思います。
正確ですし、何よりも反応が早くLEDの明るさが程よく、他の撮影者にも迷惑をかけません。
オイル式なので、オイルの粘性によりふらつきがすくなく安定しやすいです。
・星座盤又は星座ソフト
星座盤は、撮影の場合は現地で夜に使う事はあまりないとおもいますが、明るいうちにつけば当日の星空の撮影のシミレーションには便利です。
おすすめのアプリは、名古屋市科学館オリジナルの星座早見盤のアプリです。
緯度の変更がざっくりとしかできないのが難点ですが、非常に軽くて通信を必要としないので、電波が届かない地域でも使えます。
・ソフトフィルター
星景写真を撮る時に使うソフトフィルターは、季節やねらっている星座たちによっても変えていますが、ざっくり書くと、冬はソフトフィルターを使う事が多く、夏は最近はあまり使わなくなってきています。
理由等を書いていくと長くなるので、今回は自分が使ってみて良かったフィルターだけを書いておきます。
個人的に一番お勧めなのは、ケンコー・トキナーのプロソフトンクリアです。
星景写真に定番で使われているのは、ソフト効果の強いプロソフトン(B)、少しソフト効果の弱いプロソフトン(A)、そして更にソフト効果の弱いプロソフトンクリアです。
プロソフトンクリアだと、さほど惑星も必要以上に明るくなりすぎずいい感じです。
地上も、かなりシャープに写り、個人的には好みの仕上がりになります
・養生テープ
養生テープを持っていくと、非常に便利なので用意しておきましょう。
レンズのピントを固定するだけでなく、ストラップ等が風でバタバタするときもまとめられますし、パイロットランプの目隠しにもできますので、一つ用意しておくと安心です。
ガムテープのように跡もつかないので安心です。
撮影現場に行って、何かを忘れたことに気が付くと、テンションが下がったり、どこかで落としたかと不安になったりして、せっかくの楽しい撮影が台無しになってしまう事も在ります。
パターン化して、しっかりと準備していきましょう。
この記事が楽しい撮影のお手伝いとなれば嬉しいです。
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